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zoom RSS 読後感:「ヒマラヤはどこから来たか」/木崎甲子郎著/中公新書

<<   作成日時 : 2008/08/22 16:12   >>

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ヒマラヤはインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突して潜り込み,チベット側を持上げたり折り曲げたりして出来た...位の知識は持ち合わせているのですが,グーグルアースでアジア大陸の高山をブラウズしているといろんな疑問が湧いてきます.
主なものは次の2点.

1)チベットとヒマラヤの関係
チベットは北から南へ東西方向に崑崙山脈,トランスヒマラヤ山脈,インダス/ヤルンツアンポー河(インダスーツアンポ縫合帯という断層との事),その南のグレートヒマラヤとの間の山地(チベット周辺山脈)が連なっていますが,ヒマラヤ造山運動の中での位置づけがわかりません.

2)ヒマラヤの東と西の対象性の理由
ヒマラヤの東端と西端にはナムチャバウアとナンガパルバットという際立った独立峰がありヤルンツアンポーとインダス河が大屈曲しています.又,東ではカングリガルポ山脈,西ではヒンズークシュ山脈がヒマラヤを遮るように立ちはだかり,さらに北からは覆いかぶさるように東のニェンチンタンガラ,西のカラコルム大山脈が連なっています.
なぜなのか?何となく自分なりの説明は付きそうですが,きちんとした専門家の説明を知りたいところです.

そんなことでネットを調べていて,本書に出会ました.早速,アマゾン.送料込みで定価より130円も安く新品同様の古本をゲット.
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アジアの骨格/グーグルマップを編集

さて読後の感想ですが...1番目の疑問に関しては次のような自分なりのヒマラヤ観を持つ事が出来ました.

1)インド亜大陸のユーラシア大陸への衝突,潜り込みによってチベットに衝上断層発生→2)主に断層の北側隆起によって山脈形成→3)衝突が続くとユーラシア側の抵抗が増し,断層が南にジャンプして新たな山脈形成→4)「2)と3)」の繰り返し→5)グレートヒマラヤを形成した断層(MCT)はすでに活動を止めているが隆起はしており,これは別のメカニズム(軽い花崗岩の上昇等)による→6)現在はグレートヒマラヤ南のマハラバート山脈の断層(MBT),さらに南のシワリク山地の断層(HFT)が活動中

本書ではインドの先端はインダスーツアンポー縫合帯の下まで潜り込んでいますが,隆起の北端は明確ではありません.想像を逞しくすれば崑崙が北端であって欲しいところです.崑崙も含めた北部チベットの山々は例外なく緩やかな老年期の山容で,南部になって壮年期の山が現れ,チベット周辺山脈ではさらに顕著になります.北部ほど山は古いので侵食が進むからなのでしょう.
そうならば,崑崙から始まったヒマラヤは南へ向かって輪廻を繰り返し,数十万年後には現在のグレートヒマラヤは老年期に変化し,マハバラート山脈がグレートヒマラヤに成長している...という勝手で壮大な物語が描けるのですが....
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チベット北部の典型的な6千m峰/老年期の山容

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ルンポガンリ.背景はグレートヒマラヤ/トランスヒマラヤ南部.壮年期の山容.

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ツアンガ リ.背景はグレートヒマラヤ/チベット周辺山脈.壮年期の峻峰.

2番目に対する成果はゼロです.実は本書の項目に「コンピュータシミュレーション」があったので,あるいわと期待したのですが外れました.断層をシミュレーション出来ないのですから話になりません.80年代のシミュレーション技術では無理なのでしょうか?
東西の対象性に対する私なりの勝手な想像はインド側面の端部効果なのだと思います.端部が楔のように押し込まれるのですからヒンヅークシュやカングリガルポが南北方向に隆起するのでしょう.カラコルムやニェンチェンタングラは端部が拘束された状態で圧縮されるからだと思われます(注).両端に特別高い独立峰が出来る理由は皆目見当もつきません.
いずれにしても,もっと精度の高いシミューレーションに期待です.

(注)後に別の本(変動する日本列島/藤田和夫/岩波新書)を読んで,ヒマラヤのような両端の対象性を「対曲構造」と呼ぶのを知りました.

グーグルアースをいじっていると,まだまだ疑問が生れます.
例えば東西に連なる壮年期の天山山脈.これはどんな圧縮力で生れたのでしょうか?
例えば崑崙山脈の東西差.チベットと接する崑崙は典型的な老年期地形ですが,西のカラコルムに近い部分は壮年期の厳しい山容に変ります.

別の解説書を探す事にしましょう.時間は余っていますから,数十年も絶えていた読書の習慣が戻ってくれればと思います.

http://www.mwaf-foryou.jp

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