那須の小屋から

アクセスカウンタ

zoom RSS 石拾い/古殿町・鎌倉岳/竹貫片麻岩

<<   作成日時 : 2008/11/23 00:25   >>

トラックバック 0 / コメント 0

冬型が緩んだので(11/21),素性確かな竹貫片麻岩を求めて古殿町の鎌倉岳(669).

ネットの地質解説によれば(http://www.town.furudono.fukushima.jp/kamakura/kam-03.html),鎌倉岳は竹貫変成岩の真っ只中なのです.それが片麻岩なら素性明確.

画像

家から65Kmで登山口の駐車場.山頂までの標高差は僅か100m.
山頂直下の高差60m程はロープの急斜面で転石が現れます.早速割ってみると...何と安山岩!

画像

鎌倉岳山頂にて

画像

鎌倉岳山頂から那須方面

山頂も同じでした.あの解説は何だったのでしょう.いかにも専門家によるものらしかったのですが...
降りにC450m付近で道路脇の露岩を割ってみると,風化の著しい変成岩.
この山の頂上部は竹貫変成岩を貫いて上昇した安山岩と判りました.山頂から展望すると,近辺の山はなだらかなのに,この山だけが急斜面である理由も納得です.

画像

鎌倉岳山頂の安山岩/細粒.白い斑晶は斜長石

さて別の露頭を探そうと役場で教えて頂いた公民館を訪ねましたが,詳しい方が不在との事で不案内.標本を見せてもらい(「鎌倉岳山頂の安山岩」もあり!),地質解説も頂きました.

解説の文章はネットと同じですが,近辺の詳しい地質図が付いていて,もちろん鎌倉岳は竹貫変成岩.
筆者は鎌倉岳には登っていないのだと確信しました.地質図だけで書いたのでしょう.

しかたがないので,川原はどこですか...と訊ねると,公民館の裏が大平川で川原あり...との事.古殿町を貫く鮫川は護岸ばかりで川原は全く無いのです.
大平川にも護岸はありますが,流れの幅よりもはるかに広く,小さな川原が残っていました.
ここの住所は正に「竹貫」.青っぽい縞模様の変成岩がごろごろ転がっています.

小春日の 河原は蒼し 片麻岩

画像

大平川/採取した川原

写真は採取した中で,最も片麻岩らしい1片.川岸にちょっと頭を出しているのを掘り出しました.
グニャグニャに褶曲しています.しかし褶曲は片麻岩の条件ではありません.実は,小生はいろいろな片麻岩の説明を読んだり写真を眺めても,片岩との区別がつかないのです.どの説明も曖昧で,専門家でもあやふやなのでは..と考え始めています(失礼かも).

画像

竹貫片麻岩?/古殿町竹貫・大平川

画像

竹貫片麻岩?/褶曲面.上面の凸凹は硬い石英の褶曲に沿っています

沢山拾った中から若干紹介.

別の竹貫片麻岩らしい一片.結晶粒が大きいので,こっちの方が片麻岩らしいのかも?
片麻岩は片岩よりも高温で変成されるので,結晶粒が大きいとの解説あり.

画像

別の竹貫片麻岩らしい1片/古殿町竹貫・大平川

白い縞部(石英と長石)の結晶粒が明瞭な,新鮮な破面.全体は潰されていますが,結晶粒は変形していないようです.したがって,潰されてから熱によって再結晶した...という推論は成り立つのでしょうか?
無数の微細な白い結晶は何なのでしょう.斜長石か?

画像

結晶粒の明瞭な新鮮な破面/古殿町竹貫・大平川

花崗岩に捕獲された変成岩.上昇してきた花崗岩マグマが変成岩を捕獲したのです.上流の変成岩と花崗岩との境界部から流されてきたのでしょうね.
ルーペで観察すると接触面では花崗岩の結晶粒は細かく,外観では黒雲母が少ないようです.これは冷却速度が速いから..というのは読み過ぎでしょうか?変成岩はホルンヘルス化するはずですが,小生には判断できません.変形が著しければミグマタイトなのですが...
現役の頃,鋼のクレームサンプルをルーペや顕微鏡を覗いて,いろいろな不具合原因情報を読み取ったのを思い出します.

画像

花崗岩に捕獲された変成岩/古殿町竹貫・大平川

つぶつぶ模様の輝石斑岩.緑っぽい結晶(斑晶)は角張っているので輝石と判断.石基は非常に微細なので半深成岩なのでしょう.半深成岩にはひん岩と斑岩があるようですが,その区別はよく判りません.いかにも斑晶っぽいと思うので,斑岩としておきます.

画像

輝石斑岩/古殿町竹貫・大平川

大きな斑晶が目立つ安山岩.斑晶は細長いのが多いので角閃石と思いますが,自信なし.

画像画像




















安山岩/古殿町竹貫・大平川.左:風化面,右:破面

大理石.大きな方解石の結晶で,接触変成岩.釘で簡単に傷がつくので石英ではありません.ハンマーで割る時の軟らかい感覚でも判ります.元は珊瑚なのでしょうが,自然の凄さを実感させてくれます.帰り道で採取.

画像

結晶質石灰岩(大理石)/鮫川町戸倉川

11/23追記 鎌倉岳の安山岩が気になって,地質図を調べ直し.

いつも使わせて頂いている1/20万.
鎌倉岳は5億年程前の「御斎所・竹貫変成岩」の中にあります.

画像

20万分の1地質図/産総研

試しにと思ってチェックした1/5万.
何と鎌倉岳は別の地質!凡例が表示できないので地質名は不明ですが,「貫入火山岩(代表例は安山岩)」なのでしょう.等高線の密な部分なので,小生の推論は当りです.
岩体が小さいので,1/20万では省略されているとは言えないようです.なぜなら1/20万には小さな石灰岩の岩体が表示されているのに1/5万には無いからです.
作成者や時期が違ったりするとこんな違いが起こるのでしょう.

画像

5万分の1地質図/産総研.実際の縮尺はスケールを参照

ここ一番では複数の情報を複眼的にチェックし,鵜呑みにしないのが大切なようです.良い教訓を得ました.

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
石拾い/古殿町・鎌倉岳/竹貫片麻岩 那須の小屋から/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる