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zoom RSS 読後感:「沈黙の春/レイチェル・カーソン著/青樹簗一訳/新潮文庫」

<<   作成日時 : 2008/12/07 19:12   >>

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あらゆるメディアが環境・環境と騒ぐと,天邪鬼の小生としては割り箸までを槍玉に挙げるようなこの問題の取り上げられ方はかなり怪しいと思い始めました.エコ,無・減農薬,手作り,産直,フードマイレージ...一見やさしそうなキャッチフレーズはみんな怪しいと思っています.

そんな事で,あまりにも有名な本書には一体何が書かれているのかが気になりました.
例によって,格安のアマゾンの古本.

特に有名らしい1章の「明日のための寓話」の次から,対策ともいえる最終章の「別の道」の前まで,様々なDDTなどの化学薬品(主に殺虫剤)による汚染が語られます.穀物,樹木,鳥,昆虫,魚,貝,プランクトン,家畜,川・湖・海の水,そして人間.....

読みながら第一に浮かんできたのは,多分社会に出てまもなくの頃に読んだバンス・パッカードの「浪費を作り出す人々」でした.アメリカの浪費をえぐった告発本ですが,共通しているのは事実の列挙.
表にでもまとめてもらえば助かるのですが,延々と言葉が続きます.申し訳ないのですが,程ほどに飛ばさざるを得ませんでした.自分がそうだから..という訳ではありませんが,どれ程の読者が精読しているのでしょう?

50年ほども前に,これだけの事実を集め,纏め上げて出版したのですから尊敬に値します.時の政府を動かし,DDTを禁止させたのだそうですから凄いと思います.

第二に浮かんだのは敗戦後のDDT.小学校1年生でしたが,撒布器を背中に差し込まれて白い粉まみれになった思い出.これで虱から救われたのです.薬害も聞きません.本当にDDTは悪者なんでしょうか?

意外に感じたのは,害虫対策に外来の天敵を使うことに懸念を持っていないらしい事でした.現在,外来種による在来種絶滅が叫ばれているようですが,ガラパゴスや小笠原のような孤島はともかく,そもそも生物は拡散するのですから,大した心配は要らないのかもしれません.この辺りの例を挙げれば,春一番の美しいオオイヌノフグリもすっかり定着しているのですから...

第三に浮かんだのは,「行き過ぎ」です.パイオニア的な業績には止むを得ない面が多いのですが,後から振返るとオーバーランがよくあるものです.
そこでネットを調べると,驚くべきブログ(http://hiroshi-kobayashi.at.webry.info/200805/article_16.html)に出会ました.
「沈黙の春」によってDDTが一掃されたために
『DDTによって救われた人命は1億人といわれています。しかし逆に、DDT禁止によって失われた人命は、全世界で5千万人もいるのです! しかも、この失われた5千万人は、ほとんど子供たちなのです……。DDT禁止によって、マラリアなどの病気で死んだ子供たちの数は、ヒトラーが虐殺したユダヤ人の8倍以上にもなるのです』
そして
『2006年、ついにWHO(世界保健機構)は「マラリア蔓延を防ぐため、流行地でのDDT使用を推奨する」という声明を発表したのです』

「ヒトラーにたとえるのはいかがなものか」という趣旨のコメントに対しては「科学的事実を綴った本だとは理解していない」という厳しい返事が返ってきました.

もちろん小生は,たとえDDTが過ちであったとしても,化学薬品による環境汚染告発の嚆矢としての本書の価値は損なわれないと確信しています.

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